事故事例91 建設設備工事業:有機溶剤に引火、爆発事故事例
こんにちは、事務担当の久保です。
当事務所は下記の期間を年末年始の休業日とさせていただきます。
2022年12月28日(水)~2023年1月4日(水)
新年は1月5日(木)より営業致します。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。
「厚生労働省の職場のあんぜんサイト」から事故事例を紹介します。(No.101077)
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【集合住宅の室内改装工事で接着剤に含まれていた有機溶剤の蒸気に引火、爆発】
<発生状況>
●社は集合住宅の室内改装工事のうち、壁下地材設置工事とクロス貼り付け工事を
二次下請けとして受注した。
●社の作業者3人により、壁下地材設置工事のうち結露防止用ボードの貼り付け作業が予定されており、午前中は結露防止用ボードの位置決めと切断、午後は接着剤の塗布と乾燥および
結露防止用ボードの貼り付けが行われることになっていた。
すべての壁面への接着剤の塗布が完了し、接着剤の乾燥を待つ間、
午前中の作業で傷をつけた台所床面の補修を行うことになり、
作業者の1人が補修用パテを軟らかくするために加熱しようとしてライターに火をつけたところ、
突然爆破して火災となり作業者3名が火傷を負った。
壁に塗布した接着剤には、溶剤として第2種有機溶剤であるn-ヘキサンが65~75%含まれており、
乾燥中に室内に充満した蒸気にライターの火が引火し、爆発したものであった。
当日は気温が低く、玄関を除きすべての窓を締め切った状態で作業を行っており、
換気も行っていなかった。
●社では、有機溶剤を含有する接着剤を使用する作業の実施に当たり、
換気の実施、火気の取り扱い等の火災、爆発および中毒の防止のための対策を盛り込んだ作業計画を作成しておらず、また有機溶剤作業主任者も選任していなかった。
災害発生当日の作業者は3人とも、普段は木工作業を行っており、
接着剤を使用する仕事は1~2回程度しか行った経験がなく、有機溶剤の危険有害性についての知識がなかった。
また、●社では改装工事に従事させる作業者に対し、有機溶剤を含有する接着剤の安全な取扱い等を含む安全衛生教育を実施していなかった。
<原因>
1. 有機溶剤の蒸気が充満した室内でライターの火をつけたこと 。
→作業者が有機溶剤の危険性を認識していなかったため、
有機溶剤の蒸気が充満した室内でライターの火をつけたため爆発した。
2. 作業計画を作成せずに作業を進めたこと
→●社では、有機溶剤を含有する接着剤を使用する作業の実施に当たり、
火災、爆発および中毒の危険に配慮した作業計画を作成していなかった。
また、有機溶剤作業主任者も選任されず作業者任せで作業が行われていた。
3. 安全衛生教育を実施していなかったこと
→●社では作業者に対し、有機溶剤を含有する接着剤の安全な取扱い等を含む安全衛生教育を
実施していなかった。
そのため、接着剤の取り扱い経験が少ない作業者は、有機溶剤の危険有害性についての知識がなく、
危険な行為を行った。
死亡事故にはならなかったものの、ひとつ間違っていたら大惨事になっていました。
「うちは事故も起こしてないし、大丈夫!」という確証のない自信はひとまずおいて、
作業計画の作成や安全衛生教育の実施など、作業者はもちろん、関係者ひとりひとりが
安心安全で作業できる環境を作っていこうという意識改革が大切だと思います。
保険のご相談、いつでも承っております。
お気軽にお問い合わせください(^^)
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